先日、参加した日本リウマチ学会で先日発表された関節リウマチ診療ガイドライン2024のシンポジウムを拝聴しました。
今回の改訂は、大規模なものではありませんが、
1)アルゴリズムにメトトレキサート製剤の注射製剤が記載されたこと
2)JAK阻害薬とbDMARDsが別記載になり、bDMARDsの使用を優先すること
3)高齢者のリウマチ患者の記載
4)周産期に関する記載
が主な変更点でした。
1)アルゴリズムにメトトレキサート製剤(以下MTX)の注射製剤が記載されたこと
メトトレキサート (MTX) 皮下注製剤が2022年に保険収載されたため、 MTX皮下注製剤がアルゴリズムに追加されました。 アルゴリズム上では経口か皮下注かの区別はなく、 いずれの剤型でも選択可能です。
皮下注の長所としては
①内服よりも優れた有効性
②同等以上の安全性
③悪心・食欲不振などの副作用が少ない
といったことが挙げられます。
ただし、 コスト面からMTX未投与患者では内服が優先されているため、 経口可能な患者は経口から開始し、 増量過程で皮下注へと切り替えていくこととアルゴリズムの注釈でも述べられています。
当院でも、MTX内服製剤でコントロールが困難な方には、積極的にMTX皮下注製剤を使用しています。
関節リウマチの治療でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
次回は、2)JAK阻害薬とbDMARDsが別記載になり、bDMARDsの使用を優先することについて述べたいと思います。
文責 だて整形外科リハビリテーションクリニック
日本リウマチ学会 専門医 伊達 亮
*ガイドラインアルゴリズムは、日本リウマチ学会ガイドライン2024より転載