だて整形外科リハビリテーションクリニック

下関リウマチセミナー(4)

2025/02/25

みなさんこんにちは。だて整形外科リハビリテーションクリニック 伊達亮です。

2025/02/07、田辺三菱製薬が主催する「下関リウマチセミナー」に参加しました。大阪大学の蛯名耕介先生が「関節リウマチにおける骨関節破壊のしくみとその対策」についての講演を拝聴しました。その内容の中で、大切だと感じたことを分かりやすく説明したいと思います。
だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長の伊達亮です。

今回は、関節リウマチ(RA)治療におけるグルココルチコイド(GC)の役割についてお話しします。GCは炎症を抑える強力な作用を持つ一方で、副作用のリスクもあるため、慎重に使用することが求められます。

GCとは?

グルココルチコイド(GC)は、副腎皮質ホルモンの一種で、体の炎症反応を抑える作用があります。関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療に広く使われています。

GCのメリット

  • 炎症の迅速な抑制: GCは関節の腫れや痛みを速やかに軽減します。
  • 免疫系の過剰反応を抑える: 免疫細胞の働きを調整し、関節の炎症を抑えます。

他の治療との併用: メトトレキサートや生物学的製剤と組み合わせて使われることがあり、治療の効果を高める役割があります。

GCの副作用とリスク

  • GCは長期間使用するとさまざまな副作用を引き起こす可能性があります。
  • 骨粗しょう症: GCは骨の形成を抑制し、骨密度の低下を引き起こします。
  • 感染リスクの増加: 免疫を抑える作用があるため、感染症にかかりやすくなります。
  • 糖尿病の悪化: 血糖値を上げる作用があり、糖尿病のリスクを高める可能性があります。
  • 筋肉量の低下(サルコペニア): 長期間使用すると筋力低下を引き起こすことがあります。

GCの適切な使用法

  • 当院では、できるだけGCの使用を回避するようにしています。副作用を踏まえて、どうしても使用する場合も数ヶ月以内にOffするようにしています。
  • GCの副作用を最小限に抑えるためには、適切な使用が重要です。
  • できるだけ低用量で短期間の使用: 長期使用は避け、できるだけ早く減量または中止する。
  • ビタミンDやカルシウムの補充やビスフォスフォネート製剤の使用: 骨粗しょう症のリスクを軽減するために推奨されます。
  • 運動習慣をつける: 筋肉量の維持や骨密度低下を防ぐために、適度な運動を取り入れる。

医師と相談しながら使用する: 副作用のリスクを抑えるために、定期的な診察を受けることが大切です。

まとめ

GCは関節リウマチ治療において非常に有効な薬ですが、副作用のリスクも伴います。適切な管理のもとで使用することで、その恩恵を最大限に受けながらリスクを最小限に抑えることができます。関節リウマチの治療を行う際には、医師と相談しながら最適な治療法を選択することが重要です。

だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長  日本リウマチ学会専門医 だて整形外科リハビリテーションクリニック

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