みなさんこんにちは。だて整形外科リハビリテーションクリニック 伊達亮です。
2025/02/07、田辺三菱製薬が主催する「下関リウマチセミナー」に参加しました。大阪大学の蛯名耕介先生が「関節リウマチにおける骨関節破壊のしくみとその対策」についての講演を拝聴しました。その内容の中で、大切だと感じたことを分かりやすく説明したいと思います。
骨粗鬆症にはいくつかの種類がありますが、特にステロイド骨粗鬆症と閉経後骨粗鬆症には明確な違いがあります。それぞれの特徴を理解し、適切な対策を講じることが大切です。
閉経後骨粗鬆症は、女性が閉経を迎えることで女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、骨の代謝バランスが崩れることで起こります。
特徴
ステロイド骨粗鬆症の発症には、Piezo1 という細胞膜に存在する機械刺激受容チャネルが関与している可能性が指摘されています。Piezo1は、骨細胞が機械的な刺激を感じて骨の形成を促すために重要な役割を果たします。しかし、ステロイドを長期間使用すると、Piezo1の働きが低下し、骨の形成が抑えられてしまいます。その結果、縦方向の骨梁が失われ、骨の強度が低下しやすくなるのです。
最近の研究では、Piezo1を活性化する薬剤(例:Yoda1)が、ステロイド骨粗鬆症の進行を抑える可能性が示唆されています。将来的には、Piezo1を標的とした新しい治療法が開発されることで、ステロイド骨粗鬆症の予防と治療がより効果的になることが期待されています。
ステロイド骨粗鬆症は、グルココルチコイド(GC)(ステロイド)を長期間使用することで発症します。関節リウマチや自己免疫疾患の治療でGCを使用する患者さんに多く見られます。
特徴
骨粗鬆症のリスクを減らすためには、以下の対策が重要です。
閉経後骨粗鬆症の対策
ステロイド骨粗鬆症の対策
閉経後骨粗鬆症とステロイド骨粗鬆症は、それぞれ異なる原因で発症しますが、共に骨折リスクを高める疾患です。特にステロイド骨粗鬆症では、縦方向の骨梁が失われるため、骨の強度が急激に低下します。適切な治療と予防を行うことで、健康な骨を維持し、骨折のリスクを減らすことができます。
当院では、患者さん一人ひとりの状態に応じた治療とリハビリを提供し、骨粗鬆症の予防・管理にも力を入れています。ご不安な方は、お気軽にご相談ください。
だて整形外科リハビリテーションクリニック 日本リウマチ学会専門医 だて整形外科リハビリテーションクリニック
引用文献: