だて整形外科リハビリテーションクリニック

第37回日本臨床整形外科学会に参加しました(1)

2024/07/14

みなさん こんにちは。だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長の伊達亮です。

今日は、熊本で開催されている第37回日本臨床整形外科学会に参加しています。

早朝のモーニングセミナーでは、広島県呉市の沖本先生の【骨粗鬆症治療で大腿骨近位部骨折、椎体
骨骨折は減るのか?地域における疫学データから整形外科日常診療を評価する】を拝聴しました。

呉市は、骨粗鬆症の啓発・治療促進に関して先進的な取り組みを行っていますが、現時点では椎体骨折や大腿骨近位部骨折の発生率は大幅な改善は得られていないものの従来は骨粗鬆症由来の転倒により介護状態になる方の割合が減少しているそうです。

呉市は、骨粗鬆症重症化予防プロジェクトという取り組みを以前から行っており、骨粗鬆症患者さんをリスクに応じて3階層に分類し、啓発活動や治療継続支援の取り組みを行っています。

高リスク群に分類されている方は、治療を始めたけれども何らかの理由で中断されている方で、今後も骨粗鬆症による骨折のリスクが高い方と言えます。

当院でも、内服の製剤に関しては継続率が著しく低下しており、現在kakariteというソフトを使用して、離脱されている方にLINEやSMSで再来を促す取り組みを始めています。院内で、電話番号を伺ったり、LINE登録を促す声掛けをしています。治療が必要な方には必要な情報を適切に送る取り組みの一環ですので、ご協力をおねがいします。

呉市の2017年度のデータでは、今までに骨折を起こしたことがない方(一次骨折予防といいます)で、治療を中断した患者さんに受診促進の働きかけをしたところ、35.3%の方が治療を再開されたとのことでした。

実は骨粗鬆症にかかっているけれども骨粗鬆症検査を受けたことがないも相当数いると言われています。

当院では、閉経された女性などを中心に骨密度検査を積極的に受けていただくように声掛けを行っていますが、呉市では65歳の方に歯科検診の際に下顎骨(アゴの骨)のX線検査を行い、骨粗鬆症の程度を推定する【歯ッピースマイル65】という取り組みを行い、年間19%程度の方が検診を受けられ、骨粗鬆症治療に繋げているそうです。

下関市でも下関整形外科医会と歯科医師会が連携して、医科歯科連携をよりスムーズに行う取り組みを開始しております。

骨粗鬆症の治療開始前、開始後の口腔内ケアの継続はとても重要です。現在治療中の方とそのご家族にはご負担をおかけしますが、ご協力をおねがいします。

治療を中断されている方は、いつでも再開できます。お気軽に受診されてください^^

記事の図表は骨粗鬆症学会雑誌2022vol8No3p130-134より一部引用しました。

文責 下関市 だて整形外科リハビリテーションクリニック 日本骨粗鬆症学会 認定医 伊達亮