みなさんこんにちは。
だて整形外科リハビリテーションクリニックの伊達亮です。
今回は、PRPについて、複数回投与すると効果が得られやすいという文献を紹介します。
- 目的
- 変形性膝関節症(OA)のさまざまな段階において関節内(IA)の多血小板血漿(PRP)注射および単回PRP注射、ならびにヒアルロン酸(HA)注射の有効性を比較すること
- 方法
- 膝OA(変形性関節症)患者162名を無作為に4つのグループに分けた
- 各グループをさらに2つのグループに分けた
- 早期OA(K-L Grade 0で軟骨変性がある、またはグレードI~III)
- 進行期OA(Kellgren-LawrenceグレードIV)
- 評価
- 注射前と6か月後の経過観察時にEQ-VASとIKDCの主観的スコアを用いて評価
- 結果
- すべての治療群において、対照群と比較してIKDCとEQ-VASのスコアは改善
- PRPを3回注射した患者は他のグループの患者よりも有意に良好
- PRPまたはHAを1回注射した患者のスコアには、有意な差は認められなかった
- 初期OAのサブグループでは、PRPを3回注射した患者の臨床結果が有意に良好
- 進行したOA患者の臨床結果には、治療グループ間で有意な差は認められなかった。
- 結論:
- 早期OA患者には、PRP注射を複数回(3回)行うことがより良好な臨床結果を得るのに有用である
- 進行したOA患者に対しては、複数回の注射を行っても、いずれのグループでも患者の治療結果は有意に改善しない。
当院でも、今後複数回PRP投与を積極的に行っていく予定です。
この文献が掲載されているKnee Surg Sports Traumatol Arthroscは2023年のインパクトファクターが3.3でした。
文責 だて整形外科リハビリテーションクリニック
日本整形外科学会・日本リウマチ学会・日本リハビリテーション学会・日本骨粗鬆症学会 専門医 院長 伊達亮