だて整形外科リハビリテーションクリニック

PRP(1)

2024/09/10

みなさんこんにちは。

だて整形外科リハビリテーションクリニックの伊達亮です。

今回は、PRPについて、複数回投与すると効果が得られやすいという文献を紹介します。

  • 目的
  • 変形性膝関節症(OA)のさまざまな段階において関節内(IA)の多血小板血漿(PRP)注射および単回PRP注射、ならびにヒアルロン酸(HA)注射の有効性を比較すること

  • 方法
    • 膝OA(変形性関節症)患者162名を無作為に4つのグループに分けた
      • PRPを3回関節内注射するグループ
      • PRPを1回注射するグループ
      • ヒアルロン酸を1回注射するグループ
      • 生理食塩水を注射するグループ(対照群)
    • 各グループをさらに2つのグループに分けた
      • 早期OA(K-L Grade 0で軟骨変性がある、またはグレードI~III)
      • 進行期OA(Kellgren-LawrenceグレードIV)

  • 評価
    • 注射前と6か月後の経過観察時にEQ-VASとIKDCの主観的スコアを用いて評価

  • 結果
    • すべての治療群において、対照群と比較してIKDCとEQ-VASのスコアは改善
    • PRPを3回注射した患者は他のグループの患者よりも有意に良好
    • PRPまたはHAを1回注射した患者のスコアには、有意な差は認められなかった
    • 初期OAのサブグループでは、PRPを3回注射した患者の臨床結果が有意に良好
    • 進行したOA患者の臨床結果には、治療グループ間で有意な差は認められなかった。

  • 結論:
    • 早期OA患者には、PRP注射を複数回(3回)行うことがより良好な臨床結果を得るのに有用である
    • 進行したOA患者に対しては、複数回の注射を行っても、いずれのグループでも患者の治療結果は有意に改善しない。

  • Evidence Level 1

当院でも、今後複数回PRP投与を積極的に行っていく予定です。

この文献が掲載されているKnee Surg Sports Traumatol Arthroscは2023年のインパクトファクターが3.3でした。

文責 だて整形外科リハビリテーションクリニック 

日本整形外科学会・日本リウマチ学会・日本リハビリテーション学会・日本骨粗鬆症学会 専門医 院長 伊達亮