だて整形外科リハビリテーションクリニック

生活の工夫:変形性股関節症患者のための日常動作の改善法

2023/08/24

変形性股関節症は、股関節の軟骨が劣化し、痛みや運動制限を引き起こす状態です。日常生活の中で動作や姿勢に注意を払うことで、痛みの軽減や生活の質の向上が期待できます。以下に、変形性股関節症患者のための日常動作の改善法を詳しく説明します。

1. 正しい姿勢の保持: 正しい姿勢を保つことは股関節への負担を軽減します。立つときや座るときに背筋を伸ばし、肩を後ろに引いて自然なカーブを保ちましょう。

2. 座るときの工夫: 長時間座る場合は、背もたれのある椅子を選んでください。座面の高さは膝が90度に曲がる程度が適切です。座るときは均等に体重を分散させるよう心がけ、足を組むのを避けましょう。

3. 歩行の改善: 歩く際には、ゆっくりと大きな歩幅で歩くことを心掛けてください。足を引きずらないように、地面全体を踏みしめるような感覚で歩行することが大切です。

4. 階段の利用: 階段を使う際には、一段ずつ足を上げるようにするか、手すりを利用して安定した動きを心掛けましょう。可能であればエレベーターやエスカレーターを利用することも検討してください。

5. 荷物の持ち方: 重い荷物を持つ際には、バランスを保つために両手で持つか、肩に掛けるなどして股関節に余分な負担をかけないようにしましょう。

6. 車の運転: 車の運転時には、運転席の位置を調整して脚が自然に曲がるようにし、ブレーキやアクセルを踏む動作に無理がないように気をつけましょう。

7. 睡眠の工夫: 寝るときには、快適なマットレスと枕を使用して背骨が自然なカーブを保つようにしましょう。寝返りを打つ際には、ゆっくりと体を回転させるよう心がけます。

8. 日常動作の配慮: 日常の動作を行う際には、無理なく体を動かすことを心がけましょう。重いものを持ち上げるときや地面にしゃがむときは、膝や腰への負担を減らすために腰を丸めず、脚力を活用して行うようにします。

9. 適度な運動の導入: 医師の指導のもとで適度な運動を取り入れることで、筋力や柔軟性を維持することができます。水中運動やサイクリングなど、股関節に負担の少ない運動を選ぶことが大切です。

10. 専門家のアドバイス: 最も重要なのは、変形性股関節症の管理については医師や理学療法士のアドバイスを受けることです。個別の状態に合わせたアドバイスやリハビリプログラムを受けることで、最適な方法を見つけることができます。

日常生活の中での工夫や改善法は、変形性股関節症による痛みや運動制限を軽減するために大切な要素です。