みなさんこんにちは。だて整形外科リハビリテーションクリニック院長の伊達亮です。
前回に引き続き、7月14日(日)から7月15日(月)に熊本で開催された第37回日本臨床整形外科学会についてです。
7月14日(日)の夕方に行われたイブニングセミナー(5)に参加しました。
仙台市の東あおば整形外科スポーツ・リハビリクリニック院長の高橋周先生のご講演でした。
高橋先生の講演は何回も拝聴しており、毎回、内容が実践的でとても勉強になります。
今回は腰椎神経根症と椎間関節性からお話が始まりました。
神経根症は、神経根ブロック注射を行うケースが多いのですが、最近、運動器エコー下に行うことが増えています。
当院では、従来通りX線透視下に行っていますが、エコーは被爆もまったくなくベッドサイドでできるメリットがあります。
今回提示された症例は、神経根ブロックを行ったものの残存する関節症状があったため、椎間関節ブロックを行い、少し残った腰痛に対して、後枝内側枝という細い神経を選択的に高周波熱凝固療法を行うものでした。
外来でもここまでできることにとても感銘を受けました。導入のハードルは高い印象でしたが、いつかできたらいいとおもっています。
今回のセミナーで紹介されたエコーが神経の位置をAIで学習させ、検査中にトラッキングできる機能を持つ機種でした。4月にあったセミナーで聞いたことがあり、当院でもデモ機を使用させてもらいましたが、映像が鮮明で、特にリウマチの滑膜炎の診断・治療評価に有用だと感じました。神経トラッキング機能は、当院でもよく行っている神経周囲のハイドロリリースでとても有用だと思いました。特に大腿外側皮神経や上殿皮神経は探すのに時間がかかるケースが多いので、これらをトラックできるようになればとてもいい機能だと感じました。
他には、PRPや正中神経の神経鞘腫術後の遺残疼痛に対する血管内治療などのお話もとても勉強になりました。
高橋先生のクリニックには2017年に見学させていただき、2日間にわたって、講義と臨床、施設見学をさせていただきました。当時は、エコーを始めたばかりだったので、初歩的な質問ばかりしていましたが、丁寧に教えていただき感謝しています。運動器エコーの手技や機種は日々進歩しているので、また見学したいと考えています。
文責 下関市 だて整形外科リハビリテーションクリニック 日本整形外科 専門医 伊達亮