関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。
免疫異常が原因といわれています。免疫は本来、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスなどを攻撃して破壊し、それらを排除する働きを担っています。免疫に異常が生じると、誤って自分自身の関節を攻撃してしまいます。それにより炎症が起こり、関節の腫れや痛みとなって現れてきます。
治療経験が多く、最新の治療動向にも詳しい【日本リウマチ学会リウマチ専門医】が勤務している施設を受診しましょう。
上記2項目を満たす医師が日本リウマチ学会が主催する試験をクリアすることで得られる専門医資格です。
当クリニック院長は日本リウマチ学会認定専門医です。
(下関市内には常勤勤務のリウマチ専門医は8名だけです)
症状と画像検査(レントゲンやエコー検査)、採血を中心に総合的に判断します。
患者さんそれぞれに合った治療薬を選択し、まず【臨床的寛解】を目指します。
【臨床的寛解】がえられたら関節破壊の原因の炎症が抑えられているということなので、【構造的寛解】が得られやすくなり、【機能的寛解】につながります。
治療は免疫を抑える薬を使用するため、患者さんご自身の過去から現在にかけてかかったおそれがある感染症を中心に詳しくチェックする必要があります。
採血 | 目的 |
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白血球 (特にリンパ球) |
免疫力が正常域にあるか確認 |
肝機能・腎機能 | 薬による副作用が起きた場合、最初の状態と比較するため |
T-SPOT検査 (結核検査) |
免疫を抑える薬を使用すると、結核・真菌感染・肝炎(特にB型肝炎)が再燃することがあるため |
血中βDグルカン (真菌[かび]検査) |
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B型肝炎・C型肝炎 | |
画像検査 | |
胸部Xp | 治療開始時と治療開始後も定期的に行い、肺炎や結核のチェックを行います |
胸部CT検査 | 治療開始前に必ず行い、呼吸器症状などが悪化した場合、初回分CTと比較できるようにしています |
薬物療法を中心に行い、適宜リハビリを追加していきます。
重要なのは関節破壊の抑制効果です。
種類 | 関節破壊抑制 | 副作用 |
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消炎鎮痛薬(NSAIDs) | × | 胃潰瘍など |
ステロイド | × | 血糖値上昇、骨粗鬆症など多岐にわたる |
抗リウマチ薬(DMARDs) | △ | 感染症、間質性肺炎など |
生物学的製剤 | ◎ | DMARDsと同様だがより注意が必要 |
Jak阻害薬 | ◎ | 感染症、帯状疱疹など |
種類 | 特徴 | 副作用 |
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メトトレキサート 商品名:リウマトレックス、 メトレート |
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サラゾスルファピリジン 商品名:アザルフィジン |
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イグラチモド 商品名:コルベット、 ケアラム |
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製品名 | アクテムラ | オレンシア | シンポニー | エンブレル | エタネルセプトBS | |
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作用機序 | IL-6阻害薬 | T細胞阻害薬 | TNF阻害薬 | |||
投与方法 | 皮下注 | |||||
薬価 (1錠、1本あたり) |
39,291 | 28,233 | 121,527 | 28,233 | 17,246 | |
1回量(本) | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |
投与間隔 | 2週間に1回 | 1週間に1回 | 4週間に1回 | 1週間に1回 | ||
薬価 (28日) |
薬価(28日) | 78,582 | 112,932 | 121,527 | 125,008 | 68,984 |
1割負担 | 7,858 | 11,293 | 12,153 | 12,501 | 6,898 | |
3割負担 | 23,575 | 33,880 | 36,458 | 37,502 | 20,695 | |
特徴(私見含む) |
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生物学的製剤は効果がある反面、非常に高額です。
高額療養費制度を使用することで、自己負担額を軽減することができます。
当クリニックでは、抗リウマチ薬や生物学的製剤を中心に治療を行っています。
治療効果を【3ヶ月おき】に判定し、【3つの寛解】がえられていない場合は、薬剤を追加・変更しています。
リウマチになってしまい、妊娠・出産をあきらめてしまう方が多いのですが、寛解状態であれば、妊娠・出産することは可能です。妊活中、妊娠中、授乳中に使用できる薬剤は以前より多くなり、より寛解状態に導きやすくなっています。
自己判断せずに一度主治医に相談してみてください。